BUT IT MAY STOP THEM FROM DYING ON THEM.

JWT New Yorkのコート・ドライヴのクリエイティブが秀逸すぎる。
http://www.frederiksamuel.com/blog/2008/01/new-york-cares.html


ホームレスが極寒のNYの冬を越すために必要なコート。
JWTは毎年、ホームレスにコートを寄付する活動(コート・ドライヴ)を行っているという。
キャンペーンのクリエイティブが、秀逸すぎるという話。

上半身裸のホームレスのイラストの上に、コートフックを貼り付けて、「あなたのコートを寄付してください。彼らが道端で寝るのはとめられないけど、でも、死ぬのは防げるから。」というシンプルなメッセージを書く。


非常にシンプルなんだけど、でも、ものすごいインパクトと気づきを与えてくれるクリエイティブだと思う。

なによりも秀逸なのは、きちんと「アクション」の部分までつなげられているところ。
フックにコートかければいいんだもんね。そりゃ分かりやすいし、行動にも繋がりやすいよね。
しかも、コートが寄付されることによって、クリエイティブが「完成」されるという仕組み。


うーん、ヤラレタ!!




海外(とくに欧米)は、エージェンシーによる公共活動のレベルが高い。
宗教性の問題とかもあるんだろうけど、それでもやっぱりCSRというか、「広告が世界(社会)のためにできること」をグローバルな視点で捉えていると思う。

「広告」の仕事は、ひとの心を揺さぶることだ。
それは、ただモノを売るためだけに使えばいいスキルではない。
クライアントの要望に応えながら、最終的には社会、世界全体レベルでの「幸せの最大公約数」を追求していくべきなのではないか?それが、広告会社のミッションではないか?

キレイゴトではあるが、たまに、ふと、そう思う。



今後、日本ももうちょっと頑張っていかないといけないんじゃないかなぁと思った、土曜日の午後。
いいものはあるけど、業界の仕組みか予算の関係か、どうしても質が(ry

ちなみに日本の公共広告では、2005年のACのエイズ予防財団のキャンペーン*1「見えない連鎖」が好きだ。

「たしかに、元カノの元カレの元カノは知らない…」って、私も実際に思ったし、とんでもなくリアルだ。
見る人の心に、グッと刺さる、良いコピーだと思う。

*1:去年のTERUのヤツは…ちょっと許せない感があったりなかったり。