smashmedia河野さんの私塾「mixbeat」に参加します。

どーでもいい私事ではあるが、なんとなく記録&報告してみようと思う。


smashmedia河野さんの私塾「mixbeat」に応募したところ、めでたく選出され、記念すべき一期生として参加することになった。
応募総数39名、一期生10名ということで、倍率は3.9倍だったとか。まあ河野さんもおっしゃるとおり、実力とか情熱云々に加えてパーソナリティ(年齢とか性別とか出身地とか)の多様性を重視したセレクションだったため、もう完全に「ご縁」だったのだと思う。アイム・ラッキーガール(by GO!GO!7188

早速、私塾SNSが立ち上げられ、まだ会ったことのない一期生と運営チームとのコミュニケーションが始まっている。登録プロフィールをみると、ほんとうに多種多様で驚いた。老若男女、学生から経営者までよりどりみどり。職種・業種はやはりIT系、広告・宣伝系、メディア系、マーケティング系が多いが、それは私塾で学ぶテーマによってある程度縛られてしまうのだろう。とはいえ、これだけ「るつぼ」な私塾もめずらしいと思う。


自戒のために記しておくと、私は以下の4つの目標を掲げて入塾した。

  • 多様なひとと関係性を紡ぐ。
  • 「コミュニケーション」「マーケティング」「ひと」に関して、多様な視点を持ち、多様な考え方をする体験・訓練をする。
  • ひとかわ剥ける。
  • コミュニケーション・デザイナーのたまごになる。

こう言ってセレクションをパスしたからには、しっかりと成し遂げなければなぁ…
日々精進なり。

なにはともあれ、楽しみだ。

「ザ・マジックアワー」を見て気づいた、「ベースとなる文化」の影響力

雨降る新宿、マルイシティのバルト9まで三谷幸喜「ザ・マジックアワー」を見に行ってきたYO!

天気のせいなのか、日曜日だからなのか、バルト9は芋洗い状態。こんな日に一人乗り込んだ私は生粋のAHOなんじゃないかと真剣に考えてみたが、おひとりさまのおかげか希望の上映回のラストワン・チケットをゲットして無事に鑑賞できたので良しとする。(まあ、鑑賞後すぐに感動を共有できないのは少しもったいないのだが。)


ネタバレになるので、ストーリーに対する細かい感想は控えるが、全体評価としては「★★★★☆」くらい。
「THE・有頂天ホテル」がイマイチだったので不安だったが、純粋に笑えたし、楽しめた。ストーリー展開は「間違いの喜劇」の王道を突き進んでいて、もうコッテコテで先も読めるほど。しかし、そのコテコテっぷりが潔く、且つ期待通りの方向性で期待以上に笑わせる演出をしてくれているので全く気にならないし、むしろ笑えてくる。そういう意味では、ほんとうに「三谷幸喜らしい」作品だなぁ…と感じた。


ところで、三谷幸喜松尾スズキ、そして宮藤官九郎といった「舞台畑」の監督の作品は、所謂一般の「映画畑」の監督の作品とは違ったトーンを持っていると思う。

どう違うのかといったら、至極明快、「舞台っぽい」のだ。映画館でスクリーンを見ているのに、なぜか劇場でステージを見ている錯覚に確実に陥ってしまう。
おそらく、場転のタイミングであったり、ストーリーのテンポ、抑揚の流れが「2時間モノ舞台」を基準に作られているからだと思う。勿論、「映画」というリテイクの利く事前撮りであることや場所や効果の制約がないことから、アクションであったりセットであったり特殊効果であったり、舞台では不可能な肉付けはされている。しかし、はやり骨格は「舞台」なのだ。

「そりゃもともと舞台人なんだからそうだろう」と言ってしまえばそれまでなのだが、つまりは「アウトプット方法は違えど、ベースとする文化は色濃く反映される」ということなのだろう。アニメ監督の映画はやはり「アニメっぽい」し、俳人の書く小説は「俳句っぽい」し、もっと言うならば営業マンのくどき文句は「営業っぽい」のだ。


ひとは案外、自分のバックボーンを露呈して生きている。表現活動となればなおさらそうだし、ビジネスだろうと子育てだろうと、意識せずとも自らの本質と向き合いながら日々何かを生み出しているのだろう。

だからこそ、ベースとなる文化の構築のために肥やしを費やし、コア・コンピタンスたるものを育てていくことが大切なのだと思う。

「アンチ・スイーツナイト!」は意外とスイーツ…だった!?

去る19日、ギーク女子限定イベント「アンチ・スイーツナイト!」を開催しました!

場所は新大久保から怪しいホテル街を抜けまして、職安通り沿いにあります「オムニ食堂 本店」。なぜなら「アンチ・スイーツ=辛いモノ」というコンセプト(※決して「スイーツ(笑)僻んで揶揄してのものではない)のイベントだから。サムギョプサルが非常に美味しかった。


企画当初、「ギーク女子だけで飲み会やろー!」と主催側で盛り上がったモノノ、正直「…ひと、集まるかなぁ」「そもそもギーク女子ってそんなにいるのか!?」と若干不安でした。でも、蓋を開けてビックリ、なんと総勢9名(しかも一人は関西在住)の賑やかな夜に!


しかし、やはり「女子だけ」の空気は違いますね。話している内容はネット周りのことなので、所謂「ふつう」の女子の飲み会の会話(たとえばコイバナだったりコスメ・ネイルの話だったり)とはかけ離れていて「ギーク」っぽいのですが、それでもやっぱり女子は女子で、空気がスイーツなんです。
今回の参加者がみな美人(※私除く)で、「ギーク寄りな、ふつうのおにゃのこ」だからだったかもしれませんが、たとえ話題が「twitterオフに行ったときに〜」とか「いちるさんが〜」とか「私はC♯なんです」「いや、腐女子というのはですね」とか、ふつうの女子同士の会話からは想像できないようなものではあっても、トーンとか話題の移り変わりとかは、やっぱり「女子」なんです。


男だらけのIT、ブログ系イベントで紅一点ガツガツとディスカッションするのも好きですが、やはり可愛くてキレイな女子のふわふわした雰囲気の中で好きなことをわやわや話すのも楽しいです。

ということで、またギーク女子限定イベントをやろうと思うので、今回ご参加のみなさまも、今回参加されていないみなさまも、懲りずに是非いらしてくださいませ!


「アンチ・スイーツナイト!」ご参加のみなさま、ありがとうございました!
そして何より、幹事のトミモトさん、お疲れ様&ありがとうございました!(私、まったく役立たずでスミマセンでした…次回は頑張ります…)


以下、参加者リストです。

「アンチ・スイーツナイト!」を6/19(thu)に開催します!


ギークな女子が集まって大久保に韓国料理を食べに行くオフ会、「アンチ・スイーツナイト!」を開催します。
hiniclipのトミモトさんとの共同企画です。

アンチ・スイーツナイト!

日時:2008年6月19日(木)19:30〜
場所:大久保の韓国料理屋(お店は後日メールで連絡します)
人数:10人くらい ※女子限定
参加費:3000〜4000円くらい(普通に飲み代ワリカン)

申し込みフォームはコチラ


ギークな話題を熱く語ってみたいよね、女子だけで。」と前々からトミモトさんと話していて、「だったらギーク女子会をやろう!」と盛り上がり、勢いで企画してしまいました。

ブロガーイベント、TECH系イベントに行くと、女性の少なさにいつも驚く。
でも、そんな男性社会(?)だからこそ、女子のチカラが生きてくるはず。
ギークなブロガーイベントにひとりで果敢に参加してしまう、そんなギーク寄りな女子ブロガーのつながりを強めたい、そこで何か新しい動きを生み出したい。
ノリで企画したものの、個人的にはそんな想いも籠もっていたりします。


ギーク女子に関しての規定は特にないです。「ヒャクシキ」とか「ギガジン」とか「ツイッター」とか「ホッテントリ」とか「ガジェット」とか、まあそこらへんの呪文が効く方であれば無問題です。(そもそも、私自身がそこまでギークではないという噂!)

始めましての方も、ちょっと知り合いの方も、知り合いの知り合いの方も、ギークな女子の皆様、お誘い合わせの上ふるってご参加くださいませ!

一緒に韓国料理食べましょう(そこかYO!)



…個人的には、「はてなアイドル」の方々に会いたかったり。id:asami81さんとか、id:dropdbさんとか。(べにぢょさんは日程が合わず…次回是非!)

ライフログ×ネット家電のもたらすミライ

NTTレゾナントiアプリ用サービス「キセキ」をリリースした。

NTTレゾナントは5月29日、携帯電話のGPS機能を利用して訪れた場所の「住所」と「時間」を自動的に記録し、その記録に対して日記を作成できるiアプリ用サービス「キセキ」を開始した。東京、神奈川、千葉、埼玉で利用できる。利用料金は無料。

ライフログサービス「キセキ」、訪れた場所の住所と時間を自動記録 −CNET

アプリをDLして待受アプリに設定すると、自動的にGPSデータが蓄積されていく。その行動データに対して「何をしたか」というコメントを追加することで、行動日記が完成。もちろん外部ブログへの投稿も可能。
まあ、ここまではなんてことのないGPS対応ブログないしはSNS(アテラとかあったね、そういえば…)となんら変わりはない。コメントだって、キセキ上で書かせるよりもmixitwitterなどの既存インフラと連携した方が確実に投稿率は上がるだろうし(ここらへんは「NTTっぽい」なぁ…と思ったりw)。
しかし、次の一説は結構すごい。

 また、ユーザーの行動に適した地域情報を配信する機能も備えている。自分の行動日記として情報を蓄積していくことにより、ユーザーの行動特性情報と現在地、時間に応じた飲食店などの情報を導き出し、リアルタイムで待受アプリ上に配信する。行動日記が蓄積されるほど、精度の高い情報を入手できるという。

実際の行動(位置情報)データでターゲティングして、強制的に「待受」に情報(きっとクーポン広告の類だろう)を配信…さすがNTTグループw 他のサービサーじゃ、待受に情報配信なんてやりたくてもなかなか出来ない。そもそも待受アプリへの壁が厚いし。いやはや恐れ入りまつた。


まあ、正直成功するか否かは微妙なところだと思う。GPS情報に対するユーザー(生活者)の姿勢はまだ懐疑的であり、相当なメリットがない限りはバンバン公開したりはしないのではないか?という仮説からの意見である。現実問題、GPS情報は犯罪の助長にもつながりかねない危険性を持っている。だからキャリアのGPS情報通知サービスには厳重なロックがかけられているし、GPS情報を利用したwebサービスでじゃ精度を荒くするなどの調整している。


そもそも、GPS情報をはじめとする「ライフログ」に対する寛容度が、日本という国は低いように感じる。国民性といってしまえばそれまでなのだが、結局のところ、集合知やらマスコラボレーションやらそういった動きが鈍いのも根本の問題は同じなのだろう。もったいないなぁ…と思う反面、私自身もそこまでダダ漏れではない(というより隠居気味)ので、そう強くも言えなかったりはするw*1hiniclipのトミモトさんUstreamで日常をダダ漏れさせているハイパーブロガー)なんか、ネ申の領域ものだw

ただ、ライフログは今後大きな力を擁するものだと思う。編集されない、リアルなダダ漏れメタデータの洪水。マネタイズの構造は置いておくとしても、マーケターとしては喉から手が出るほど欲しいデータのはずネットの行動ターゲティングとは異なるリアルな行動ターゲティングが可能になる上、生活者の潜在意識(無意識の行動データ)に触れられるのだから、インサイト発掘に多大な力を発することは想像に難くない。ただ、個人的にはビジネス的視点ではなしに、学問的視点(たとえば考現学のような領域など)だけから見ても重要なデータであり、公開するか否かは別として、記録・蓄積しておくべきデータだと感じている。単純に面白いし、100年後に価値を持つデータだ。


だからこそ今、ネット家電といわれる分野に期待している。テレビでもビデオでも炊飯器でも洗濯機でも冷蔵庫でも体重計でも、ネットにつながりさえすれば自動的にライフログを収集することが可能である。もっというなれば、ゲーム機だってそうだし、本棚だって、椅子だって、浴槽だってライフログ収集のハブになり得る。もちろん、収集ハブとしてだけでなく、メディア(媒体)としての力も大きい。要は、ネット家電などのユビキタス環境が整備されれば、生活者のパーソナルなライフログの収集・蓄積が可能となり、また彼らにとって適切な、メディアニュートラルなコミュニケーションが可能となるのだ。


まあ、上記のような「ユートピア(笑)」が出来るまでにどんだけ時間かかるんだYO!という至極もっともなツッコミがあるのは重々承知だが、全部はともかく一部はもう実現しつつあるし、家電業界自体にも「ネット対応」の流れはある(ライフログ発想主体ではないにしろ)わけで、あながち夢物語じゃないのではないかなぁ…と安穏と考えていたりする。

最初、生活者側の抵抗は強いかもしれない。でも、本当に彼らにとって有益で幸せなサービスを提供できるならば、彼らは喜んでデータを提供してくれるのではないだろうか?



まあ、そんな真面目な話は置いといて、なんかライフログ関連でエキサイティングなことができたらいいなぁ… ビジネスじゃなくて、全然良い。いまのところアートとか芸術方面の方が相性が良い状態だろうし。またライフスライスカメラとかやりたいなぁ…(ライフスライスキットが完パケだったため、コチラで代用していたw)
仕事の合間に妄想しよう。うん。そうしよう。

*1:まあ、以前実名でバリバリ情報発信していたときは、かなりのダダ漏れっぷりだったがw

第2回広告系スピンオフに行ってきた。

だいぶポストが遅れたが、去る5月27日、則天去私さんと茶太郎さん主催の「第2回スピンオフ」に参加した。

1月11日、広告系のwebコミュニティでは「伝説」となるであろう(というか、なった?)「広告系ブロガー新年会」を発端に、2月に第1回、そして先日第2回を迎えたスピンオフだが、毎回マイナーチェンジ(というか、拡大)しつつも確実に「深さ」が増しつつあると思う。受付しつつ、「ああ、なんか良い流れの渦中にいるなぁ…」なんて感慨に浸ったりしていた。


「オフ会」っていいなぁ…と思うのは、リアルコミュニティで生活しているだけでは出会えないかもしれない体験に出会う確率が高く、またそこで生まれる熱量がとてつもなく大きい、ということ。
これは別に広告系だからとかITベンチャー系だからとか、そういったことは全く関係なくて、それこそジャニーズ系だろうがアキバ系だろうがペット大好き系だろうが、関係ない。性年齢・地域・職業などの属性的に「ふつうなら出会わない」であろう人々が、共通の「ネタ」(格好良く言うなら「志」)の元に終結する、その「場」の力に価値がある。
インターネットは、その「場」の作りやすさとアクセシビリティを格段に向上させたという意味で、価値のあるインフラだと思う。やっぱり雑誌の友達募集欄や張り紙は物理的にも精神的にも敷居が高く感じられるのだろう。日本のように、サード・プレイスの文化が根付いていない社会において、インターネットが生成する創造の土壌は重要な意味合いを持っているのではないかと、個人的には思っている。


…と、話は反れたが、要は「広告(コミュニケーション)」を主軸に、会社も立場も異なる人々が集まった「スピンオフ」はアツくて面白かった、ということですw
キャンペーンの裏話から、これからの広告、そもそもの産業のビジネスモデルについてなど、話題の幅・深さともに濃厚。また、意外と共通の知人がいたり、目指している方向が同じだと分かったり、まあ盛り上がる盛り上がる。非常に幸せな光景だ。



個人的には、最近パブリックな日常に追い立てられて、自分のエッヂが弱くなっていることを再認識できて良かったと思っている。そんなに器用な人間ではないので、要努力なのだが、やはり環境に毒されて丸くなっちゃあイカンなぁ…と。則天去私さんにも「あれ〜2日に1回はブログ書くんじゃないの?」と指摘されたし、life2.0さんには「『分かります。』が分からないのはダメだよ〜失望したよ〜」なんていわれちゃったし(そもそもがどんな希望だという突っ込みはおいといてw)、まあ、ドゲントセントイカン!と思った次第である。


今後も良き刺激を放射し合ってまいりたいものです。
参加者の皆様、お疲れ様でした!(以下、リスト。則天去私さまのエントリより引用)

ご紹介だけさせていただきます。

・則天去私
http://souseki.search4search.net/

・[beat] Bite’n Eat All the Thing.
http://beatanything.jugem.jp/

・im a girl of net dependence syndrome
http://lovemaster7.jugem.jp/

・interactiveに行こう!!
http://simojo.com/interactive/

・Life2.0
http://dreamyou.blog26.fc2.com/

SEM-Analytics
http://www.sem-analytics.com/

・WEB-AD SEARCH
http://worldwidewebad.blog117.fc2.com/

・Webディレクターの生活。
http://ameblo.jp/ei13/

キャズムを超えろ!
http://d.hatena.ne.jp/wa-ren/

・コウコクノミライ
http://ameblo.jp/miraiad/

・じだらく-マーケティングが語りたいけど語れない人のブログ
http://stillwantto.be/blog/

・社会人平凡ライフ先行試作型
http://luv2me.blog7.fc2.com/

・脱*標準広告人
http://dokkkoisho.blog51.fc2.com/

茶太郎のほぼ日々マーケティング
http://blog.livedoor.jp/cb29/

・日刊・世界の広告クリエイティブ
http://mochikaz.blogspot.com/

・ブランド太郎ブログ
http://ameblo.jp/brandscript/

マクドナルドがお財布ケータイを利用した新クーポンサービスを開始

 日本マクドナルドホールディングスとThe JVは、携帯電話を利用したマクドナルドの新会員サービス「かざすクーポン」を発表した。まずは九州地域で5月20日より提供される。

 かざすクーポンは、おサイフケータイの機能を活用したクーポンサービス。従来より提供しているオンラインクーポンをアプリ化したもので、購入したい商品とクーポンの使用枚数をあらかじめ決めて、レジ前のリーダーに携帯電話をかざすことで注文できる。支払い方法はiDか現金で、注文後にどちらで支払うか口頭で店員に伝える。また、ドリンクの種類なども口頭で店員に伝える。

マクドナルド、おサイフケータイを活用した新クーポンサービス -ケータイwatch

今、生活者にいちばん使われているクーポンはマクドナルドのクーポンかもしれない。hotpepperやぐるなびといった元祖クーポンマガジンが強いとはいえ、店舗(ブランド)単独で見れば、マクドナルドを超えるものはないだろう。ケータイサイトの登録ユーザーは優に1000万人を超え、小学生からサラリーマンまで幅広い層の生活者が、毎日大量のクーポンを利用してマクドナルドの商品を消費している。明確な根拠(データ)はないが、周りの話やマクドナルド店舗の様子を観察するに、まあそう外れてはいないと思う。

そのマクドナルドがついに、おサイフケータイを利用したクーポンサービスを始める。わざわざケータイブラウザを起動する必要もなく、R/Wにかざすだけで利用可能になり、ユーザーにとってはますます便利で使いやすいクーポンサービスになったと言える。
また、何よりもマクドナルド側にとっては、このサービスが大きな進歩の鍵となる。今までの個人情報(ケータイサイトの登録情報)に加え、購買履歴の紐付けが可能となる。これほどリアルで貴重なマーケティング・データベースはないだろう。

まあ、マーケティングに従事するモノとして、「お財布ケータイ(電子マネー)」といえば「個人情報×購買履歴」という発想がでてくるのは当然のことだし、さして新しいことではない。今回のマクドナルドの件もそうだが、技術も大分進歩して、「理想」の実現に着々と近づいてきていると言えよう。


話はそれるが、今後電子マネー競争で勝ち残っていくのは、7&iホールディングスのnanacoイオングループWAONをはじめ、流通系電子マネーだと思う。
大きな理由は、以下の3つ。

  • ポイント還元・クーポンをドライバーに顧客獲得・囲い込みが可能。
  • 生活に密着した商品の購買の場をおさえており、食品から衣料品まで生活者の消費を幅広くカバーできるため、よりリアルな生活・購買実態を把握することが可能。
  • グループ内であればPOSもほぼ全ての店舗が共通のものを使っているので、ユーザー個々人の購買履歴との店舗状況の紐付けシステムの構築が容易にできる

発行枚数でいうなら、まだEdySuicaの方が優勢かもしれない。しかし、トランザクション数を見ると、流通系電子マネー(というよりnanaco)の圧勝である。結局、提携先は多いがポイント(マイル)加算率がよくないEdyや、交通ICカードの領域を出ないSuicaは、「個客(顧客)の購買情報の蓄積」の側面で流通系電子マネーで戦おうとしても苦しい・・・ということである。
ただし、Suicaに関しては他の電子マネーICカード)では取れない「行動・移動履歴」を取ることが可能という強みがあり、また近年エキナカを中心に消費の場の構築を始めていることから、今後の取り組み・スピードによっては巻き返しが可能ではないかと思われる。


ここで、マクドナルドの話に戻したい。
なぜケータイ・クーポンでマクドナルドが強いのか。それは、上記流通系電子マネーの強みと同じである。ぐるなびホットペッパーでは、正確な利用率や生活者の嗜好・消費傾向を収集・分析することは難しい。掲載店舗とのPOS、顧客情報DBの共有なんてもっての他。となると、単体で広大なネットワークを持つマクドナルドのような大型チェーンが持つ顧客の個人情報×購買情報の質・量は、圧倒的に強くなるのである。
まあ、領域が狭いといったらそれまでだが、企業のマーケティング・ツールとしてはこの上ないDBであることには変わりないし、そのDBを利用して新しい広告媒体としてクーポン事業を発展させることだってできるわけで、可能性は無限大だ。


電子マネー元年から2年。おサイフケータイが始まって4年。
技術とライフスタイルのレベルがようやっと一致しはじめた今日、これからどう発展していくのかが楽しみである。